今シーズンのスペシャルコラボレーションは
ワンピースとシャツ×パンツのセットアップ
三尋木さんの言葉からその魅力を紐解きます
「初夏になると暖かな日射しに誘われて、風通しのいいワンピースが欲しくなりますよね。ウエスト周りも二の腕も、どこにも締め付け感がなくゆったり着られるのに、見た目は華やか……そんな一枚をつくりました。
デザインのポイントは、ボリュームを出したランタンスリーブ。袖口に大きくタックをとり、ぽわんとふくらむ立体シルエットを実現しました。肘まですっぽり覆う袖丈なのも、いろいろ気を使わずに着られていいんです。
袖のデザインが華やかなので、身頃はシンプルなAラインに。ネックラインの小さなVカットが、顔周りをすっきり見せてくれます」
「素材はシャカシャカとした風合いのタフタを採用。デザインがフェミニンなので、アクティブな雰囲気のある素材で今っぽいバランスを意識しました。さらりとドライなタッチで、真夏も涼しく着られそうです。着心地がとっても軽いのも高ポイント!
シワも気になりにくく、これは旅行にも絶対に便利。合わせる小物次第で、仕事の日からきれいめなお出かけ、リゾートまで、シーンレスで活躍してくれること間違いなしです。後ろ姿にもぜひ注目を。切り替え&タックを入れて、背中が大きく見えないよう配慮。歩くと後ろの裾がゆったりとなびくのもムードが出て素敵なんです♡」
「シャツ×パンツのセットアップが昔から好きなんです。きちんと感があるのにスーツほど堅苦しくなく、着こなし次第でさまざまなシーンにフィットする汎用性の高さも魅力ですよね。
今回は真夏まで活用できる素材で、モダンなテイストのセットアップをつくりました。シャツのこだわりは、肘までカバーする長めの五分袖。袖口の大きな折り返しが、ピリッと辛口なアクセントに。小さめの襟と比翼ボタンも、今っぽくクールに見えるポイントです。パンツはウエストに大きくタックを入れ、ヒップから裾までゆったりとカーブを描くようなバレル(樽形)シルエットに。ウエスト後ろはゴム仕様でストレスフリー。
シャツもパンツも、シンプルながらさりげなく旬のかっこよさが漂う理想の仕上がりになりました」
「セットアップは、上下それぞれ単品でも活躍するのが大きな魅力!
ベージュのシャツは、白のレーススカートを合わせるとクリーンで女性らしい雰囲気にシフト。ブラウスほど甘くないので、オフィスでも品よく映えますね。シャツのボタンを多めに開けて、白のベアトップをのぞかせてみました。比翼ボタンならではのすっきりした表情が、これからの季節に涼やかにマッチします。
こちらのベージュ、まろやかなエッグイエローにセージをブレンドしたような、ほかにないおしゃれな色味なのもお気に入り!
ベージュは私にとってのスーパーベーシックカラーですが、これなら鮮度高く新しい気分で着こなしが楽しめそうです」
「ベージュのパンツを単品で着るなら、リネンシャツ×ニットベストのレイヤードが今年らしくておすすめ。パンツはゆったりしたシルエットですが、素材の落ち感があるのでモタつき感はゼロ。シャツの裾をアウトにしてもすっきり決まります。裾がほんのりすぼまっているのもキレよく、ぺたんこのサンダルとも好相性です。」
「セットアップのグレーは、黒に近いダークなチャコール。黒よりも奥行きがあって、ネイビーよりもモード感のあるかっこいいカラーです。さらりとドライな風合いで、シボのような表面感のある素材だから、ダークカラーも重たく見えずに涼しげ。
こちらの素材は自宅洗い可能、接触冷感やUVカットなどの高機能つきで、シワもほとんど気にならず、着心地も軽やか! とんでもない暑さが続く今の日本では、涼しくてイージーケアな素材がありがたいですよね」
「グレーのシャツに、ピーコックグリーンのサテンパンツを合わせてみました。ゆるりと風通しのいい着こなしも、シャツ襟のきちんと感があるからピリッと引き締まります。裾をアウトにすると、ちょうどヒップラインをカバーする着丈に設定。シャツの着丈が長すぎるとずるずるして見えたり、インにしたときにモタついたりしがちですが、これならすっきり決まります。背面にはタックを入れて、後ろ姿のアクセントに」
「パンツは、ウエスト高めの位置に大きくタックを入れ、レッグラインがゆるやかにカーブするバレルシルエット。しっかりと立体的なフォルムが立つので、シンプルトップスとのワンツーコーデでも地味になりません。ウエストは後ろゴムでラクちんだし、シワも気にならず、フラットからヒールまで合わせる靴を選びません。シルエットが今っぽくて、気兼ねなくさっとはける素材感。こういうパンツが結局いちばん使えます。」
三尋木奈保 みひろぎ・なほ
ファッションエディター。雑誌『Oggi』『Marisol』などを中心に活動。近年はアパレルブランドとの商品開発にも多く携わる。 自身のおしゃれルールを公開した著書『マイ ベーシック ノート』(小学館刊)は、シリーズ2冊累計18万部を超えるベストセラーに。