秋の夜長に。
夜の帳が下りて、
小さく開けた窓から差し込んだ月明かりの揺らめき。
澄んだ空気をまとったモノクロームに、
いつの間にか季節をひとつ越していたことを知る。
静かな時間が流れるこんな夜こそ、
日頃がんばるじぶんを
めいっぱい甘やかす絶好のタイミング。
今日はゆっくり、わたしの好きなことだけ。
長く深い夜は、まだはじまったばかり。
誰かといっしょもいいけれど
ひとりの時間を気ままに楽しむ
数年前までは、友人や恋人と過ごす夜だけが特別と思ってた。いつしかひとりの時間を楽しめるようになったのは、わたしがわたしらしく、自由に生きられるようになった証拠。目の前のテーブルに並べた色とりどりのスクエアを、息を凝らして積み重ねていく。まるでじぶんの生き方と重ねるように、順番に、ゆっくりと。最後の1ピースをバランスよく積み上げられたら、なにかスペシャルな出来事が待っている予感
活字で追う非日常の世界に
鼓動高鳴る真夜中のミステリー
好きな小説家の本を手に、ベッドに横たわる。肌ざわりのいいトップスとパンツに、あたたかなジャガード編みカーディガンを羽織った、わたしがいちばんリラックスできる装い。眠りの波が押し寄せるまでと心に決めつつ、主人公とともに犯人Xを追いかけるうち時間を忘れてしまうことも、実は想定内。翌朝の健やかな目覚めと天秤にかけながら、夢中でページをめくる背徳感さえ、贅沢な夜のスパイスに変えて。
シュッとひと吹き
深く穏やかな眠りのために
長編小説を読み終えたあとの感動が後をひいて、なかなかスイッチオフできない夜更け。スムーズな入眠と爽やかな目覚めのためのわたしの切り札は、厳選した植物のパワーを余すところなく閉じ込めたスプレー。枕やベッドリネンに吹きかけると、やさしい香りがふんわり広がって、壮大な自然に包まれているような感覚に。心と身体を白紙に戻して、穏やかな眠りへのドアを開いて。